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エッセンシャルオイル(精油)の取り扱い

 ここでは、少しコアな内容に触れていきたいと思います。これから、アロマテラピーを始める人にとっても、正しく安全に精油やキャリアオイルを使用するにあたり大切な情報になると思いますので、最後までお読みいただければと思います。

 日本において、精油は「雑貨品」として扱われています。「雑貨品」のはっきりとした定義は無いようですが、『「医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器」以外の、おもに家庭での日常生活に用いられるこまごました物 』と言ったところでしょうか。
さて、精油を輸入する際、精油は「化粧品」に分類され『薬事法』により『化粧品製造業許可』及び『化粧品製造販売業許可』が必要となります。個人で楽しむ程度であれば必要ないと思いますが、販売目的だと税関を通過できません。
法律上もはっきりとした定義ができていないのです。そのため、輸入では「化粧品」、販売や使用では「雑貨品」となります。
フランスの精油はフランスでは「医薬品」として使用されているとホームページで述べましたが、では日本に「医薬品」として輸入する際にどうなると思いますか。もちろん、日本では「医薬品」として承認されていない為、税関を通過できなくなります。
フランスから輸入された精油もたくさん販売されていますが、これは「医薬品」ではないという事です。 このパラドクスを認識しておく事が大事ではないかと思います。

 精油は「医薬品」のように効果・効能を標榜して広告・販売をしてしまうと『薬事法違反』となってしまいます。頭痛や生理痛に効く、睡眠効果や食欲増進、免疫賦活、抗炎症作用、どれも表現として用いて販売やトリートメントを行ってはいけません。
では、精油が「医薬品」になったら良いのかというとそう訳でもなく、「医薬品」を販売するには『 医薬品販売業』もしくは『薬局の開設許可』が必要で、それには『薬剤師』または『登録販売者』の資格が必要です(経営者でなくてもよい)。
法律で整備してしまうと、逆に医療関係者しか精油を扱えなくなる事態になってしまいます。これは、アロマテラピー業界にとってマイナスかもしれません。
現状の「グレーゾーン」というのが日本でのアロマテラピーの立場です。

アロマテラピーの危険性

 「雑貨品」は効能を期待して身体に塗布したり、「食品」として食べたりすることのできるものではありません。基本的には「臭いを嗅ぐ程度の利用」として心に留めておく必要があります。

 「マッサージ」は国家資格保有者のみが許可されている行為ですが、「アロマトリートメント」に対して、日本のアロマテラピー資格団体では【人に危害を加えず、保健衛生上の問題もなければ、サービス業として違法性はないと考えられている】といっています。
その部分に関しては「グレーゾーン」でありますので、ここでは省略させていただきます。ただ、アロママッサージやセラピストといった表現は違法となる可能性があるので注意が必要です。(テラピストであれば大丈夫のようです。)
気をつけなければいけないのは、アロマテラピーを個人で楽しむ際には自己責任となっていますが、仕事として使う場合には完全に使用者側の責任となるという事です。
「医薬品・化粧品」ではない「雑貨品」には人体に塗布したり吸引をして影響が出るか否かといった考えが根本的にありません。
日本国内では、製造する際に雑貨品として作られる事になります。人体に取り込むという概念は無い訳ですから、製造元次第でその品質は・・・。
しっかりと品質管理されてないものを体内に取り込んでしまった場合、身体によいどころか悪影響を及ぼす危険性があります。
今まで事例は少ないようですが、精油を使用してお客様の身体に悪影響を及ぼして訴えられた場合に対処できません。クレームが増えてきている現代、しっかりと法律を把握したうえで、発言や表示、使用品の管理、サービスをしていないと大変なことになってしまいます。

 自分の身を守るためにも、知識を身につけて正しい情報を得てください。まずは、品質を保証された精油やキャリアオイルを使用することが、最も大切な事だと感じています。